ありがとう、屋久島。

ご無沙汰してます。

移動用に持ってった『海辺のカフカ』を1ページも読むことなく、無事帰宅。
浅黒くなってきました。
こんなことでいいのかと自問しつつも、楽しい正しい夏休みでした。
ありがとう、屋久島。

本当はこまめに携帯から更新しようと思ってたのだが、布団に入ると即爆睡。
あきらめてまとめて書くことにしました。


炭酸が飲みたくて、しかしうちには氷結チューハイしかないので飲み飲み書いてます。
しかも微熱気味。
楽しかったなー屋久島。しみじみ。


こんな靴だったので、足にはバッテン日焼け痕。


今回の目的はダイビング+水中カメラデビューだったんだけど、その他も存分に堪能。


★宿
 今回は2つの宿を利用。どちらもそれなりにいいとこあり。


『琴岳』 TEL 0997-42-0888  http://www16.ocn.ne.jp/~yaku/kotodake.html

宮之浦の宿。素泊まり3500円。朝食はお願いすると600円でしてくれます。
一応女性専用(夫婦/同伴OK)。1泊だけ母屋の客間に泊まったんだけど、おばちゃんがかからん餅(すごいどす黒いよもぎ餅)出してくれたり、スイカ出してくれたり、『朝食食べていかんねー』とか言ってただで出してくれたり。おじいちゃんちに泊まりに来たみたい。
近所にバス停と山登り用のお弁当屋さん『島おむすび』もあり登山にも便利な立地。


『森の陽だまり』  

安房の宿。素泊まり1890円。観光センターの2Fにあるので、分からんことがあったら1Fに聞きにいくとたいがい解決。道路向かいにお弁当屋さん、観光案内所、安房港、バス停も近く便利。
お風呂は軟禁部屋というか、コンクリート部屋に2つシャワーがある。お湯の出もよく清潔。

去年もここに泊まったので大丈夫と思ったが、さすがにキャンプ用銀色マットに4日も泊まると疲れがたまってしまった。後半枕加減が上手く行き熟睡できるようになる。
今回奮発して登山用にゴアテックスの雨具を15000円も出して購入したのだが、森の日だまりでの枕でしか使用されなかった。宝の持ち腐れ。

寝床。カーテンが閉まります。個室感覚。2段ベッドが一部屋に4台(女性専用部屋)
もちろん男部屋もあり。


こんな安宿なので、大学生とかバックパッカーが宿泊するのだが、泊まっている間に『アイコ』という女を巡り、ラブワゴンさながらの恋のバトルが繰り広げられていた。若いってすばらしい。


★温泉

  楠川温泉。携帯圏外。。。

どこの温泉も硫黄のにおいがプンプンな濃厚な温泉。
屋久島では楠川温泉、大浦温泉と言ったこじんまりとした温泉と海辺の露天風呂が楽しめる。

前回訪れた際気に入った『平内海中温泉』は1日2回干潮時に海の中から現れる露天風呂なのだが、今回は干潮時間が日が高い時間しかなくあきらめる(水着着用禁止なので)。
その近くに『湯泊温泉』という潮に関係なくはいれる海辺の露天風呂があり、レンタカーを借りてからはほぼ毎日朝に夜にと通う。

星が月が本当に奇麗で、波の音を聞きながらぬるめのお湯につかる。あーまったり。
こはちゃんと男女別れていて、女性のお風呂場にはちょっとした脱衣所(岩陰)があり、だだぴろ気な平内より気配りがある気がする。

何日か通ってると、温泉のさらに奥に家族湯的露天がもう一つあることを教えてもらい、そこの湯にもはいってみた。
ここは地元民曰く『水着可』と言うことで、しっかり着込み懐中電灯を片手に向かう。
元々ここの温泉はぬるめなのだがさらにぬるい。半分水。しかし眺めは最高。
人も熟年カップル1組だけ(見たくないけど)。
…すると、ごごごごごごごーーーーーーっと地鳴りがしたかと思うと、ざっぱーーーーーーん。
風呂に入りながら、波にのまれた。笑った。

 一番星。湯泊温泉にて。


★白雲水峡

もののけ姫』の舞台モデルになった山です。前回は太鼓岩まで時間的にいけなかったので行ってみた。
いいココ。癒されます。コケ三昧。
一応縄文杉登山も経験したのだが、私的にはイマイチでただただトロッコ道が辛いばかりの10時間だった。
太鼓岩はあいにくガスが出てしまって全然見晴しはよくなかったけど、竹の葉弁当を食べて気持ち良かった。移動のバスで横浜の大学生と話ていたら、なんとなく一緒に登ることになった。まつげが長い、ドコゾの御曹子ぽい奇麗な顔立ちの子だったので、ウェンツ白谷と命名


★ヤクスギランド

名前でかなり損してるヤクスギランド。『ランド』と聞いてかなりバカにしていたのだが、標高1000mにある歩道が整備された自然むき出しの山だった。一応バスも出てるが本数が少ないので、レンタカーで行った方が無難。安房からのアクセスがよい。

かなり高いところにあるので、白谷とはまた違った光の差し方で、コケがきらきらしてた。
50分80分150分の3コースがあり、今回は80分コースを堪能。50分コースまでは歩道がしっかり整備されているがそれ以降は突然山道になるのでスニーカーくらいははいておきたい。
大きな岩がごろごろした川があって、足をひたして涼を取ることもできる。
家族、カップルでのんびり楽しめそうな感じ。
本能的に大きな杉の前で、チューしようかしてたカップルの邪魔をしてしまいました。


冬虫夏草

 

そもそも『冬虫夏草(トウチュウカソウ)』なんて言葉は、今回『森と海』のKAZUEさんから教えてもらって初めて知ったのだが、虫の死骸にきのこ(菌類)が寄生して成長し漢方なんかに使われるそうな。
以前KAZUEさんがヤクスギランドで這い蹲ってる男2人を目撃し声をかけたら、盛口満、通称ゲッチョ先生というこの類を研究してる先生だったらしい(↓のガイド本に昆虫コラム書いてる)
探し方のコツとしては、キノコの先がオレンジやら紫の蛍光色で木の下の腐葉土によくみられるということで探してみた。
探す気になって数分で2つ発見。ちょっと拍子抜け。
丁寧に掘り出すと半分ボロッとなったカメムシに細い茶色い糸状のキノコ。そもそも大虫嫌いだったことを思い出しつつも土産になるかと思い、ラズベリーの強烈な匂いが残るパンの空き袋に丁寧に入れて持って帰った。
・・・が、宿に帰って取り出すと跡形もなく粉々に粉砕してました・・・。ゲッチョ、すまね。


★横田渓谷

最終日、いなか浜に程近い横田渓谷で沢泳ぎというか沢に足をつけて弁当を食うという計画を立てた。
私たちがちょっとステキだが若干消極的な計画を立てたかといえば、『川の水は死ぬほど冷たい・・・』ということを前日のヤクスギランドで身をもって体験したからである。半端じゃないっす(泣)

不安になるくらい畑や川、田んぼしかない細い山道を車で抜け、到着。
5分くらい整備された山道を歩いたところに、他の川では見なかったような大きな岩がごろごろがつがつした岩で囲まれた天然プールがあった。
水は澄んで青く、その中に足を浸す。冷たい。しかし、流水に比べてしばらくすると冷たさも心地よさに変わる。
天然プールの周りには平たい岩もあり、足を浸しながら寝転がった。
じりじり差す日の中で、水着着てくればよかったと後悔。
後でタクシーの運転手さんが『もう少し上流のほうで裸で泳げばよかったのに!旅の恥は掻き捨てよー』と言ったが、掻き捨てるにも限界がある。

食べかけの弁当の塩さばがぼろりと天然プールに落ちた。
ほんとに1点の汚れのない水だったので、白い塩さばの身がゆっくりと沈んで行くのを罪悪感いっぱいで眺めていると、塩さばがなにやら動く。
よくよく見ると黒とベージュの無数のはぜが塩さばを突っつきまわしていた。
次回、ココはまた来る。(ちなみに九州では『行くこと』を『来る』と表現)


★レンタカー

屋久島での移動手段はバスかレンタカー、もしくはタクシーに限られる。
私たちも後半2泊3日でレンタカー借りたのだが、時期が時期で予約もなんもしてなかったので、ディーラーはもちろん空きがなく、地元のカメヤマレンタカーでお世話になる。
無事希望の軽が借りられ、散々乗り回して約束の14時に宮之浦港に乗り捨てた。
すると呼び出し・・・。
どうやら、左の泥除けが外れているとのこと。
ぶつかった記憶も何らかの衝撃も感じていなかったのに、何故。
もともと整備不良だったんじゃないの〜と疑惑を持ちつつも、借りる際に説明を受けていた『休車保障20000円/1日』を要求される。
泥除けだけなのでかわいそうだから10000円でいいよと言われたが、ごねていると『免許証おいてけ』だのすごまれたので、なけなしの10000円を払った。
カメヤマレンタカーと別れた後、どうにも腹の虫が納まらなかったので、宮之浦港にあったスズキレンタカーのリーフレットを入手。『休車保障』を探す。
『休車保障5000円/1日』
4倍も違うのかよ!
確かに1日借りても5000円くらいなのになんで2万。
何のために2000円も出して簡易保険に入るんだと思った。レンタカーを借りる際には『休車保障』も確認することをお勧めします。


★食事

今回は毎晩違う店で食事をした。めぼしい店の感想です。

『かぼちゃ家』TEL 0997-42-1220 宮之浦登上バス停すぐ。

 屋久島ラーメン。945円。

屋久島ガイド本には必ず載ってるラーメン屋さん(カレーも有名)。11:00〜15:00までと営業時間は短いのだが常に行列ができている(ほとんど観光客)。

早速注文し、一口。
んーさば節のだしがきいた、具沢山なちゃんぽん・・・?

九州のとんこつに慣れているものとしては、スープにパンチが足りない・・・と言うのが正直な感想。
でも話の種に1度は食べておきたい。


OSE』 TEL 0987-47-3450 麦生

屋久島に来たことを思わず忘れてしまう予約必死なおしゃれレストラン。ほんとは夜行くつもりだったのだが、予約が取れずランチ。
ボリューム満点のランチは950円〜とかなり良心的。この日のメインはパスタとハンバーグを選ぶことができた。
このお店は広島から移住してきた家族経営で、にぎやかお父さん(ガイド本にも書いてあるが・・・)が野菜・たまごを自給自足しているのだが、実はお父さんには裏の顔が・・・。


それは『むつう整体』。


私たちが食事をしていると、突然『背骨はゆがんどらんか?』と尋ねられた。
ぽかんとしていると、『食事が終わったら、扇風機のところで待っときなさい』と言われ他のだが、店のどこを見渡しても扇風機はなく、大きな天井についたエアコンが店内を快適温度に調整している。
お父さんはウエイターの仕事の合間に懇々と健康について話し、食事が終わると『扇風機のそばの椅子に座って待ってろ。すぐ行く』と言って、出口を指差した。
なんじゃろかいと思い外に出ると、庭先に扇風機と白い椅子が・・・。


『椅子の先のほうに座っとけ。ちょっと仕事してくる』と白い椅子の先にちょこんと座る私
たちに言い残し、店内に消えて行った。

しばらく座っているとトイレに行きたくなった。KEIちゃんを残し店に戻ると驚き顔のおじさんが『座っとけっていったやろー。おじさんがおらんでもきいとるんやけん!』と一括。
おじさんがいなくても効果あるんだ・・・と心の中で爆笑。
そのことをKEIちゃんに報告し、『どういうことー?!』としばしツボにハマっているとおじさんが帰ってきた。


効果を見るために、一旦立ち上がり背骨の歪みを確認する。
再び白い椅子に座ると、おじさんの手には秘密のペンダントが握られていた。そのペンダントからは波動みたいなものが出ているらしく、私のまわりでブンブン回す(笑いをこらえるので必死)。
しばらく回してると確かに足先や指先が温かくなってきたような気がした。


ま、効果のほどは良くわからないが、ご飯も美味しく、お父さんも面白い。

ひとつぶで2度美味しいお店、『OSE』。

できたらおじさんに余裕がある開店間際に行ってほしい。

 

OSEとおじさん。屋久島のスピリチュアルポイント。


『風来り(ぶらり)』 安房タクシー横

屋久島の食事はなんとなく味付けが濃く塩辛い。
そんな中食べ歩いた中で一番美味しかったのが、この『風来り(ぶらり)』 。
今年4月にオープンしたばっかりで、まだガイド本などには取り上げられてない穴場です。
安房の宿『森の陽だまり』から徒歩3分の細い路地裏にあるのでちょっとわかりづらいけど、雰囲気も音楽もいい。
わがままにも『デザートが食べたい』というと、メニューにないのにパッションフルーツを出してくれた。
パッションフルーツは私たちが屋久島に来てハマってしまった果物で、時計草ともいうがものすごくすっぱい。でもビタミン満点で、日焼けした体が欲するって感じ。
うまいなーと食べていると『パッションフルーツに三岳(屋久島の芋焼酎)を入れて飲むとうまいよ』と教えてくれた。ふんわりと香りが良くなって、めちゃ合う!!
ぜひとも裏メニュー試してみてください。(ない場合は三岳とパッションフルーツを買って自分でしてください)

 
 


★お土産。

屋久島のお土産は正直ろくなものがない。
前回色々買ったがほとんど全部不評だったので、今回は三岳のみ購入。コレはうまいです。
全国的な芋焼酎ブームのせいで、大瓶に関しては週2日の限定販売で本数制限されていて、ほぼ午前中で売切れてしまうそうな。
小瓶は近所のスーパーや酒屋で比較的簡単に手に入るが、やっぱり本数制限あり。
しかしちょっと今回はあげたい人がいたので、大瓶を探していたら・・・あった!!
宮之浦港近くのお土産センター(2階建てのほう)だが、三岳の大瓶と縄文水とポストカードのギフトセット(2200円也)。若干高めだが、希少性を考えると仕方ない。


★ガイド本

屋久島ブック’05』880円 山と渓谷社

今回はこの本を片手に屋久島。いい本です。これから屋久島行かれる方はぜひ。


★最後に。
屋久島は『カップル』で行くのがベターな島であることを痛感。
KEIちゃんとお互い『私なんかが連れでごめんね』と言いながら、『カップルで行く屋久島ベストコース』を考案。
試す時期が近いことを望むばかり。