anego!

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最近読書の秋と言うことで、ジャンルを問わず乱読気味なのですが、職場に本を貸し出すシステムがあるので気軽に楽しんでいる(美輪明宏の『紫の履歴書』を薦められたがさすがになかった)


昨日読み終わったのが林真理子の『anego』。ちょっと前ドラマでやっていたアレである。
ドラマの中のナオコは『(異常に)裏表のない気持ちのいい姉御肌』で(異常に)不器用なのだが、愛される存在。
小説も『後輩から慕われる頼りになる先輩』という設定は変わらないが、テレビでは確かに描けないちょっとした陰の部分がある(『汚れた舌』を観る限りそのまま流しちゃってもいいんじゃないかと思うが…)


『ある程度の容姿とキャリアと能力と性格の女が何故結婚できないのか』がテーマで悶々と語られてるのだが、ナオコに限れば『わざわざ不幸を選択する女』だと思う。
幸せがあっても、それを得ることをずるいと考えたり、こんなに幸せになっていいのだろうかとその幸せを疑ってかかる。
優しく暖かく差し伸べられた手を振払う疑い深さが幸せを遠ざける。


林真理子が書きたかったことは別のものだと思うが、この『幸せを疑う性分』というのは多かれ少なかれ30オーバー独身女の根底に流れるモノのような気がする。
コレはある程度の自由なお金と時間を結婚と天秤にかけるというかかけれる女の悩みだが、20代の勢いがなくなり『現状以上』を望み、二の足を踏ませる(私には自由になる時間しかないけどー)


最後のナオコの選択は、私としては最悪な選択だと思うのだがその選択をする前のナオコはよかったように思う。

『ナオコさんには考える時間を与えてはいけない』と電工石火でアプローチをしかけてくる男に疑いながらも最終的にはエイヤッと婚約した。何も考えずに。


重要なことは思いきりも大切ということで。
素直に生きようと思います。